|
「イカせて先生」付き合い始めた時、セックスするとよく言っていた台詞。テクを駆使してピンポイントを責めたてる。イきたいのにイカせてくれない。いつものことだったけれど、今日は違う。本気でイカせないつもりだ。
彼はオレの高校に雇われたラグビー部のコーチだった。一年の時、三十半ばで社会人チームを引退し引き抜かれた訳。教師と体育会系が嫌いというひねくれ者だったため、その上クラブチームのオーナー企業の御曹司のクセに高校生の指導なんてやって全校生徒の人気者になっている彼が近づいてくる度そっけなくあしらっていた。何故かすれ違う度に声をかけて来る彼に嫌気がさしてきた卒業間際「おい、無視すんなよ。」と肩を掴まれた。「オレの事なんで避ける?」と聞く彼。「なんだ、その態度は!」と言う他のヤツと違ったので驚いた。が、誰にでも好かれる人間なんていないんですよと言って逃げた。そのまま卒業し、大学入学して暫くすると手紙が届いた。自分の大学にラグビー部のスポーツ推薦の話があってたまたま来る事になったらしく、その時に会わないかという誘いだった。メールアドレスが書き添えられていたので、まあいいと返した。
久しぶりに会ってスーツ姿になっていた彼はたまらなくセクシーだった。学費を稼ぐため男にカラダを売り始めていたオレは、からかってやるつもりで軽く誘いをかけた。すると堰を切ったようにオレが気になっていたこと、好きだった事を告白した。最初は捨てるつもりで付き合うふりだけで抱かれる時も演技していたのだけれど、そのうちオレを金で買うゲイと比べ、稀な誠実さを持っている事に気付いて本気になっていった。付き合いは3年になる。
|
|