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長いディープキスに続く、まどろっこしいぐらいの緩やかで優しい愛撫。
野蛮な男に犯されたあの日から、自慰にさえ嫌悪感を抱いていた僕にとって、それは心の奥のどこかで渇望していたものに違いありませんでした。
Kさんの手が、唇が体のどこかに触れる度に襲ってくる、ジンと頭が痺れるような感覚。彼もそれを心得ていて、僕の体が小さく仰け反り、喘ぎを漏らす場所をゆっくり、時間をかけて攻めてくれます。
『…忘れてまえ、嫌なことは』囁いてくれました。
Kさんが服を脱いで、再び僕を抱き締めてくれます。『…痩せちゃったね?』
『…実はな、重い病気で入院してたんよ。…もう酒は飲めんかもな。死にかけたしな』
僕は思わず抱き締め返しました。少し煙草の匂いのするKさんの髪に鼻を埋め、深く息をしました。
『…よかった。こうして生きてるんだもの』
『そやな。死なんでよかったわ』
僕の足を大きく開かせるKさん。お尻にKさんのがあてがわれました。
『…中、出さんように気を付けるからな?』
僕は首を振りました。
『いいの。今日は中にしてください。その方が忘れられるから…』
Kさんは少しの間黙ってましたが、やがてゆっくりと僕の中に入れ始めました。胸や頬を愛撫されながらの緩やかで深い挿入。
僕は幸福感いっぱいで受け入れてました。
チン○も痛いぐらいになっていて、長いこと自慰もしていなかったことも手伝って、指一本でも触れられたら出してしまいそうなぐらいでした。
Kさんはそれに気付いているのか、チン○には一切触れずに黙々と抽送を繰り返すだけ。
やがて短く、低い呻きと共に僕のお尻の中に精を注ぎ込みました。
入れたままで僕を抱き締めてくれ、甘いキスをプレゼントしてくれました。
『大丈夫か?』
『うん。…僕、今、とっても幸せです…』
『ならよかった』
Kさんが僕から緩慢な動作で離れました。ちょっとだけ悪戯っ子みたいな笑みを見せました。
『?』
Kさんが突然、まだ勃ったままの僕のチン○に取り付きました。キュッと握られ先の方をチロッと舐められました。
『あ、あーっ!ダメ、ダメっ!』
『いっちゃえ』
チン○をくわえられ、二、三度擦りたてられただけで僕はKさんのお口の中に放出してしまいました。
Kさん、しばらく僕のから搾りだすようにしてましたが、やがて飲み込んでしまいました。
『にっがー。…随分、溜まってたんやな?』
『あほ!いじわるっ!』
『はははは!』
…駅前まで送ってもらい、僕は家に帰りました。
この日の言い尽くせない幸福感は今でも忘れていません…。
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