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毎年暖かくなってくると思いだす。当時僕は高校1年生でした。家は両親と僕の3人家族でした。夏休みに入り、両親が旅行で一週間居ない日が有ったのです。さっさと両親を送り出して、一人暮らし?を満喫したいと思っていました。そして当日、『戸締まりや火事には・・』『はい×2判ってるよ!』母親の決まり文句を遮って、玄関から追い出しました。
一日目の食事は、母親が作ってたカレーで済ませて、テレビを見ていると『うるせぇ〜!』と叫ぶ声が聞こえました。あぁ又隣だなぁ〜っと僕は思いました、隣の家は同じ高校の先輩がいる家なのですが、その先輩はいわゆるヤンキーなのです。母が早くに死んで、父親と二人暮らしだと、聞いていました。親子喧嘩が多く近所でも、嫌われてる家だと。僕自身もあまり関わりたく無かったので、無視する事にしました。両親が旅行に行って3日目の夜でした、夕食を買いにコンビニへ行ったんだけど、良いのが無くて、少し遠いけど弁当屋が有ったのを思い出し、行く事にしました。弁当屋に着いて中に入ると声を出してしまいました『あ!』隣の家の先輩がそこで働いてたからです。先輩は『あれ〜?お前隣の奴じゃん?』と声を掛けて来ました。『はい、そうです』話しをするのは、始めてだし、喧嘩ぱやい、すぐキレる等色々な話を聞いていたので、緊張しました。『何弁当にする?』『え!何でもいいです』正直頭が混乱してました。『何でもって〜(笑)お前面白い奴だなぁ〜』『よし特製幕の内弁当作ってやるょ』と言って裏に入って行きました。『ほら、全部大盛りにしといたからな(笑)』と言って弁当を出してきました。『ありがとうございます』とお金を払って出ようとしたら、『外で5分待ってろよ』と僕に言ってきました。僕は、え!っと思いながら『はい』と返事をして外に居ました。何か気にいらない事したかなぁ?殴られるかな?僕は先輩が出てくる間不安でずっと考えていました。『お待たせ』先輩が出てきました。『お前原付できたんだろ?乗せてってょ』僕は肩の力が抜けていくのを感じました。あぁ、足が欲しかったのか、『いいですよ』と僕が言ったら『わりいな!』と笑っていました。評判より良い人なのかも?と思ったら少し気が楽になりました。家に帰るまで、両親が旅行に行った事、コンビニに行ったら、弁当類が少なかった事、それで弁当屋に買いに行った事などを先輩に話しました。
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