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最初にした悪戯は、悪戯にもならない程幼稚なものなのだが、コンドームの外袋を細く裂いてJさんのロッカー前に置くというものだった。
丸々1個置くと目立つし、他の人の目にもつくので、私以外の人にはゴミにしか見えなかったと思う。
Jさんにもゴミとしか見えなかったのか、切れ端はしばらくそのままになっていた。
なので、今度はそれをJさんのロッカーに隙間から入れてみた。
この時の私はJさんと距離を置いていたので、もしJさんがロッカーを開けてそれに気付いたとしても、Jさんの反応を見ることは出来なかった。
だから、こんなことをしても何にもならないということはわかっていた。
それでも、何かしないではいられなかった。
『Jさんは私の恋愛・性の対象』という私なりのメッセージが、『コンドーム』という形になったのだと思う。
そして、私はあることを思い出した。Jさんは着替える時、ポケットの煙草をロッカーの上に置いていた。
そこで私は、思い切ってコンドーム1個をロッカーの上に置いた。
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